AI動画ツールに入れた素材は学習に使われるのか|Runwayの規約4.4を原文で読む

「入れた素材は、学習に使われる?」と書かれた記事のアイキャッチ

先に結論です。

  • 受託や社内で使うなら、商用利用の可否より「入力した素材がどう使われるか」のほうが重い論点です。
  • Runwayの規約には、入力・出力を「非独占的・撤回不能・永久」でモデル学習に使うライセンスをユーザーが付与する条項があります。
  • Klingの規約には、運営にプロモーション・研究目的の非独占的利用権を認める条項があり、配布時にKling AIへのクレジット表記が必須とされています。
  • ただし正直に書きます。主要ツールの学習利用条項を横断で整理した資料は、調べた範囲で見つかりませんでした。だからこの記事では、確認できた分を出したうえで、自分で確認する方法を渡します。

なぜ商用可否より重いのか

「商用利用できるか」は、作ったものを自分がどう使えるかの話です。一方この記事で扱うのは、自分が渡したものを相手がどう使うかの話です。

受託制作を例にすると違いがはっきりします。クライアントから預かった未公開の商品画像を参照素材としてアップロードし、動画を生成したとします。「生成物は商用利用OK」なので納品はできます。問題はそこではありません。

アップロードしたその商品画像が、モデルの学習に使われることに同意していたらどうなるか。これは納品物の話ではなく、預かったものの取り扱いの話です。守秘義務契約を結んでいる場合、規約に同意した時点で矛盾が生じている可能性があります。

だから個人利用と受託・社内利用では、確認すべき優先順位が変わります。

確認できた条項

Runway — 「撤回不能」「永久」

you hereby grant to the Company a non-exclusive, irrevocable, perpetual, worldwide, royalty-free, fully paid, transferable, sublicensable right and license to use any Inputs and Outputs … in connection with … model training purposes.

(あなたは当社に対し、非独占的・撤回不能・永久・全世界・無償・譲渡可能・再許諾可能な権利を付与し、入力および出力をモデル学習の目的等に利用することを認めます)

Runway「Terms of Use」4.4

読むべきなのは3つの語です。Inputs and Outputs(入力と出力の両方)、irrevocable(撤回不能)、perpetual(永久)。

「後から取り消せる」「退会すれば消える」という性質のものではない、と読むのが自然です。アップロードする前に判断する必要があるということです。

Kling — 非独占的利用権とクレジット表記

運営はシンガポール法人 LOHAS GAMES PTE. LTD. です。規約では有料プランのユーザーが生成物の知的財産権を保有し、自由に複製・配布できるとされています。ここは明確です。

そのうえで、運営側にプロモーション・研究目的の非独占的利用権を認める条項が含まれています。実務的には、自分が作った動画がKling AIの公式サイトに「制作例」として掲載される可能性があるということです。

さらに配布時にKling AIへのクレジット表記が求められます。これは日本語の解説記事であまり強調されていませんが、クライアント納品物にツール名を明記できるかは、案件によっては事前確認が要る話です。

正直に書きます:横断の一覧は作れませんでした

本来はここに全ツールの比較表を置きたかったのですが、各社の学習利用条項を横断で整理した信頼できる資料が見つかりませんでした。推測で表を埋めることはしません。

調査の過程で分かったのは、この論点自体があまり扱われていないということです。日本語の解説記事は「商用利用できるか」までは書きますが、「入力した素材がどう扱われるか」まで踏み込んだものはほとんどありませんでした。

特に中国籍企業が開発したツール(Kling・Hailuo・Seedance・Vidu・CapCut)については、データの保管先・学習利用の有無・オプトアウトの可否を、各社の規約で個別に確認する必要があると指摘されています。ここは今後、確認できた分から順次この記事に追記します。

自分で確認する方法

規約は長いですが、探す語を決めておけば5分で終わります。規約ページをブラウザで開いて、次の語を検索してください。

検索する語 見つかったら確認すること
training 入力・出力がモデル学習に使われるか。この記事で最重要
irrevocable / perpetual その許諾が取り消せるか、期限があるか
Inputs 対象が出力だけか、入力(アップロードした素材)も含むか
opt out / opt-out 学習利用を拒否する手段があるか。設定画面のどこか
attribution / credit 配布時にツール名の表示が必要か
promotional 自分の生成物が事業者の宣伝に使われる可能性があるか
sublicensable その権利が第三者にさらに渡される可能性があるか

日本語版の規約が用意されていても、正文が英語であることが多い点に注意してください。日本語版は参考訳という位置づけになっている場合があります。

受託・社内利用のチェックリスト

  1. 預かった素材をアップロードする前に規約を読む。アップロード後では遅い条項があります
  2. 守秘義務契約とぶつかっていないか確認する。「学習に使ってよい」という同意と、「第三者に開示しない」という約束は両立しないことがあります
  3. オプトアウトがあるなら、使う前に設定しておく。デフォルトが「学習に使う」になっていることがあります
  4. クレジット表記が必要なツールは、納品前にクライアントへ伝える。納品後に判明すると作り直しになります
  5. 生成物が事業者の宣伝に使われる可能性を、案件の性質と照らす。公開前の商品なら致命的になり得ます
  6. プランを変えたら読み直す。無料と有料で条件が違うツールがあります

まとめ

  • 受託・社内利用では「入力した素材がどう使われるか」が商用可否より重い
  • Runwayは入力・出力の学習利用を撤回不能・永久で許諾する条項を持つ
  • Klingは運営にプロモーション・研究目的の非独占的利用権を認め、クレジット表記が必須
  • 横断の一覧はまだ作れていません。確認でき次第この記事に追記します
  • 規約は training irrevocable Inputs opt out を検索すれば要点に当たれる

※ この記事は2026年9月5日時点で確認できた利用規約および公開情報に基づく整理であり、法的助言ではありません。規約は予告なく変更されます。守秘義務や個人情報が関わる案件では、必ず自社の法務または専門家にご相談ください。本記事で「確認できなかった」としている項目は、今後の調査で判明し次第この記事を更新し、更新した旨を明記します。

出典(2026年9月6日に確認)

2026年9月6日に再確認し、本文で引用した条項が現在も原文どおり存在することを確認しました。

公平を期すための補足:同じ条項に書かれている「もう半分」

本文では学習利用の部分を取り上げましたが、同じ第4.4項には、利用者に有利な記述も含まれています。片側だけを読むと実態を見誤るので、前後を含めて示します。

Company does not claim ownership of any of your Inputs or Outputs. Subject to your compliance with the Agreement, the Company does not restrict your commercial use of your Outputs. You acknowledge that Inputs and Outputs may be used by the Company to train and improve its AI models…

(当社はあなたのInputまたはOutputの所有権を主張しません。本規約の遵守を条件として、当社はあなたのOutputの商用利用を制限しません。あなたは、InputおよびOutputが当社のAIモデルの学習・改善のために利用されうることを了承します…)

Runway Terms of Use 4.4(2026年9月6日確認)

つまりRunwayは「所有権は主張しない・商用利用も制限しない。ただし学習には使う」という構造です。問題は商用可否ではなく、預かった素材を入力してよいかどうかに絞られます。本文の趣旨は変わりません。

AI動画ツールに入れた素材は学習に使われるのか|Runwayの規約4.4を原文で読む

先に結論です。

  • 受託や社内で使うなら、商用利用の可否より「入力した素材がどう使われるか」のほうが重い論点です。
  • Runwayの規約には、入力・出力を「非独占的・撤回不能・永久」でモデル学習に使うライセンスをユーザーが付与する条項があります。
  • Klingの規約には、運営にプロモーション・研究目的の非独占的利用権を認める条項があり、配布時にKling AIへのクレジット表記が必須とされています。
  • ただし正直に書きます。主要ツールの学習利用条項を横断で整理した資料は、調べた範囲で見つかりませんでした。だからこの記事では、確認できた分を出したうえで、自分で確認する方法を渡します。

なぜ商用可否より重いのか

「商用利用できるか」は、作ったものを自分がどう使えるかの話です。一方この記事で扱うのは、自分が渡したものを相手がどう使うかの話です。

受託制作を例にすると違いがはっきりします。クライアントから預かった未公開の商品画像を参照素材としてアップロードし、動画を生成したとします。「生成物は商用利用OK」なので納品はできます。問題はそこではありません。

アップロードしたその商品画像が、モデルの学習に使われることに同意していたらどうなるか。これは納品物の話ではなく、預かったものの取り扱いの話です。守秘義務契約を結んでいる場合、規約に同意した時点で矛盾が生じている可能性があります。

だから個人利用と受託・社内利用では、確認すべき優先順位が変わります。

確認できた条項

Runway — 「撤回不能」「永久」

you hereby grant to the Company a non-exclusive, irrevocable, perpetual, worldwide, royalty-free, fully paid, transferable, sublicensable right and license to use any Inputs and Outputs … in connection with … model training purposes.

(あなたは当社に対し、非独占的・撤回不能・永久・全世界・無償・譲渡可能・再許諾可能な権利を付与し、入力および出力をモデル学習の目的等に利用することを認めます)

Runway「Terms of Use」4.4

読むべきなのは3つの語です。Inputs and Outputs(入力と出力の両方)、irrevocable(撤回不能)、perpetual(永久)。

「後から取り消せる」「退会すれば消える」という性質のものではない、と読むのが自然です。アップロードする前に判断する必要があるということです。

Kling — 非独占的利用権とクレジット表記

運営はシンガポール法人 LOHAS GAMES PTE. LTD. です。規約では有料プランのユーザーが生成物の知的財産権を保有し、自由に複製・配布できるとされています。ここは明確です。

そのうえで、運営側にプロモーション・研究目的の非独占的利用権を認める条項が含まれています。実務的には、自分が作った動画がKling AIの公式サイトに「制作例」として掲載される可能性があるということです。

さらに配布時にKling AIへのクレジット表記が求められます。これは日本語の解説記事であまり強調されていませんが、クライアント納品物にツール名を明記できるかは、案件によっては事前確認が要る話です。

正直に書きます:横断の一覧は作れませんでした

本来はここに全ツールの比較表を置きたかったのですが、各社の学習利用条項を横断で整理した信頼できる資料が見つかりませんでした。推測で表を埋めることはしません。

調査の過程で分かったのは、この論点自体があまり扱われていないということです。日本語の解説記事は「商用利用できるか」までは書きますが、「入力した素材がどう扱われるか」まで踏み込んだものはほとんどありませんでした。

特に中国籍企業が開発したツール(Kling・Hailuo・Seedance・Vidu・CapCut)については、データの保管先・学習利用の有無・オプトアウトの可否を、各社の規約で個別に確認する必要があると指摘されています。ここは今後、確認できた分から順次この記事に追記します。

自分で確認する方法

規約は長いですが、探す語を決めておけば5分で終わります。規約ページをブラウザで開いて、次の語を検索してください。

検索する語 見つかったら確認すること
training 入力・出力がモデル学習に使われるか。この記事で最重要
irrevocable / perpetual その許諾が取り消せるか、期限があるか
Inputs 対象が出力だけか、入力(アップロードした素材)も含むか
opt out / opt-out 学習利用を拒否する手段があるか。設定画面のどこか
attribution / credit 配布時にツール名の表示が必要か
promotional 自分の生成物が事業者の宣伝に使われる可能性があるか
sublicensable その権利が第三者にさらに渡される可能性があるか

日本語版の規約が用意されていても、正文が英語であることが多い点に注意してください。日本語版は参考訳という位置づけになっている場合があります。

受託・社内利用のチェックリスト

  1. 預かった素材をアップロードする前に規約を読む。アップロード後では遅い条項があります
  2. 守秘義務契約とぶつかっていないか確認する。「学習に使ってよい」という同意と、「第三者に開示しない」という約束は両立しないことがあります
  3. オプトアウトがあるなら、使う前に設定しておく。デフォルトが「学習に使う」になっていることがあります
  4. クレジット表記が必要なツールは、納品前にクライアントへ伝える。納品後に判明すると作り直しになります
  5. 生成物が事業者の宣伝に使われる可能性を、案件の性質と照らす。公開前の商品なら致命的になり得ます
  6. プランを変えたら読み直す。無料と有料で条件が違うツールがあります

まとめ

  • 受託・社内利用では「入力した素材がどう使われるか」が商用可否より重い
  • Runwayは入力・出力の学習利用を撤回不能・永久で許諾する条項を持つ
  • Klingは運営にプロモーション・研究目的の非独占的利用権を認め、クレジット表記が必須
  • 横断の一覧はまだ作れていません。確認でき次第この記事に追記します
  • 規約は training irrevocable Inputs opt out を検索すれば要点に当たれる

※ この記事は2026年9月5日時点で確認できた利用規約および公開情報に基づく整理であり、法的助言ではありません。規約は予告なく変更されます。守秘義務や個人情報が関わる案件では、必ず自社の法務または専門家にご相談ください。本記事で「確認できなかった」としている項目は、今後の調査で判明し次第この記事を更新し、更新した旨を明記します。

出典(2026年9月6日に確認)

2026年9月6日に再確認し、本文で引用した条項が現在も原文どおり存在することを確認しました。

公平を期すための補足:同じ条項に書かれている「もう半分」

本文では学習利用の部分を取り上げましたが、同じ第4.4項には、利用者に有利な記述も含まれています。片側だけを読むと実態を見誤るので、前後を含めて示します。

Company does not claim ownership of any of your Inputs or Outputs. Subject to your compliance with the Agreement, the Company does not restrict your commercial use of your Outputs. You acknowledge that Inputs and Outputs may be used by the Company to train and improve its AI models…

(当社はあなたのInputまたはOutputの所有権を主張しません。本規約の遵守を条件として、当社はあなたのOutputの商用利用を制限しません。あなたは、InputおよびOutputが当社のAIモデルの学習・改善のために利用されうることを了承します…)

Runway Terms of Use 4.4(2026年9月6日確認)

つまりRunwayは「所有権は主張しない・商用利用も制限しない。ただし学習には使う」という構造です。問題は商用可否ではなく、預かった素材を入力してよいかどうかに絞られます。本文の趣旨は変わりません。